この世とあの世の仕組みについての定説は既に完成している

人間がなぜ生まれてくるのか、死後どうなるのか、魂は存在するのか、といった事柄、この世とあの世の仕組みについては、もう大枠の部分は定説が完成している。

人間が生きていくうえで必要な「あの世」についての知識は掘り尽くされているとも言える。細部についてはわからなかったり、意見が食い違っているものの、重要な事柄については(スピリチュアリズムを信じる人の間では)異論が無い状態になっている。

というのも、時代を超えて、国を超えて、形を超えて語られる、死後の世界についての言説が大枠で一致しているからである。もしもこれらの言説がバラバラであるなら、デタラメの可能性があるが、異常なまでに語られる内容が一致するのであれば、それはもう真実であるからに違いない。

降霊会にやってきた霊の語る事柄、過去生の記憶を思い起こした人が語る事柄、臨死体験をした人の語る事柄、聖者・覚者と言われる人が語る事柄・・。これらが説明する世界の仕組みはほぼ一緒である。

では、その仕組みはどのようなものなのか?概説してみたい。

スピリチュアリズムが説明する世界の仕組み

世界の大元には大霊と呼ばれる神が存在する。人間を含む全ての存在は大霊の分身であり、大霊を不完全に宿している。大霊は法則であり、意志であって、一神教的な神様ではない。

大霊から分離する(?)事で生まれた魂は、当初は人間の赤ん坊のように無知で不完全であるが、様々な経験を通して成長し、大霊に近づいていく。

肉体に入って、この世に生まれてきて経験を積むことは、あの世にいる時よりも学習速度を早める。そのため、人間は魂を成長させるために何度もこの世に転生してくる。

自殺は学習のためにこの世に生まれてきたことを勝手に終わらせることであるので、ある種の罰の対象になる。

この世の苦しみは人間が精神的に成長するための糧になる。

各存在が蒔いた種はいずれ自分で刈り取ることになる(因果応報、カルマの法則)。

人間が経験する苦しみは、過去生でのカルマの埋め合わせのためであることもあるし、学習のために自ら設定したものであることもある。

魂には自由意志があり、成長をすることも選択できるし、しないことも選択できる。魂にも個性があり、向上心があるものから、無関心なものまで様々である。

人間の為す行為や考えのうち、一部は「よくないもの」として乗り越える必要がある。それらを犯すと何らかの形で罰(苦しみ)を受ける。

よくないもの、行為の例

・怒り、傲慢、嫉妬、物への執着、他者を侵害する行為(殺人、暴力、強姦、盗みなど)、悪い言葉遣い、唯物論の信奉、冷酷、自殺、強欲、怠惰、姦淫など。

魂が学ぶ必要のある事柄、実行することが求められる事柄は、

・博愛(自分の敵、自分を攻撃してくる者への愛を含む)、利他行為、謙虚、素直、物質的な事柄への執着を減らすこと、知識を増やすこと、忍耐力、意欲、寛容さなどである。

人は死後に霊体に戻るが、移行がスムーズに行われるかは霊体としての経験、あの世についての知識、生きていた間に成した行為などによって変わってくる。

あの世についての知識が無い魂や、死んだ事が自覚できない魂は長い期間(数十年?)、この世に滞在する(いわゆる地縛霊)。

人は自分の人生の台本を生まれる前に選んで生まれてくる。人生の台本がどの程度綿密に作られてきたかは人それぞれ違う。また、魂には自由意志があるので台本を逸れた生き方をすることもできる。人生には台本やカルマの法則があるので、あらかじめ決まっているように思える側面もあるし、個人の自由意志が効く範囲もあるので、自由意志があるようにも感じられる。

転生を通して、何度も友人や恋人、家族関係になる、親しい魂は存在する(いわゆるソウルメイト)。ただし誕生して間もない、転生回数が少ない魂にはいない。

人が死んでから、再度生まれてくるまでの期間はバラバラである。一年以内に転生する事もあれば、数百年あの世に滞在し続けることもある。

人はあの世でも、魂の成長のための学習を続ける。

魂の学習の場となる星は地球だけではなく、宇宙に無数にある。現在地球で暮らしている魂が別の惑星に転生することもあるし、他の惑星で生きていた魂が地球に転生してくることもある。

地球は転生先としては、ハードな星。つらい境遇の場所。

高級な霊も、低級な霊も人間の思念に影響を与える。時には霊が人間に憑依する。低級な霊の影響によって、精神病のような状態になることもある。

人間は基本的に人間に生まれ変わる。次の転生が同じ性であるとは限らない。同じ地域・国であるとは限らない。

過去世で身につけた技能や知識は、次の転生にも受け継がれる。それが天性の才能として発揮されることもあるし、その人生では使われず眠ったままのこともある。

何度も転生し、一定の成長度を達成した魂は転生しなくて済むようになる。こうした魂は、あの世で、あの世の仕事に携わって、成長を続ける。しかし、こうした成長を達成した魂が、他の魂の成長を助けるために人間として再度生まれてくることはある。

魂は今でも新たに作られ続けている。古い魂は誕生してからかなりの年月が経っている。

成長した魂は、後進の魂を助ける(いわゆる指導霊、高級霊、背後霊)。

よい霊からメッセージ・助けを得るには穏やかな精神状態が必要となる。したがって定期的な瞑想が推奨される。強いマイナスの感情は、霊から肯定的なメッセージ・インスピレーションを得ることを阻害する。

人類が精神的に成長するに応じて、あの世についての知識も、より多く開示されるようになる。人類に開示される霊的な知識は、たいてい物質的(エクトプラズム、ポルターガイスト、心霊手術など)なものから、精神的なもの(思想、知恵)に移行する。