人口削減系の陰謀がありえないと思われる理由

山田高明氏が自身のブログでワクチンによる人口削減の陰謀論を紹介している。

参考記事:人口削減計画「ザ・グレート・カリング」の切り札としてのワクチン

地球上は人口過剰ともいえる状況なので、人口削減が世界の支配層(?)によって計画されているのではないか、その手段としてワクチンがありうるのではないかという想定を読んだことがある。

しかしこういった人口削減計画はありえないのではないかと思う。

なぜなら、

1.人口抑制は話し合いである程度実現できるはずだから

人口増加の抑制は、普通に国連だとかの国際会議の議題として上げれば、合意が得られるはずでわざわざ陰謀として行う必要がない。もちろん人口増加の抑制に反対する国もあるだろうが、人口増加の抑制に協力する見返りとして財政支援をもちかければ、大半の国は人口増加の抑制に協力すると思われる。

CO2排出削減は、自動車産業を日本から取り戻すための経済戦争的な側面がある茶番劇にしか見えないが、世界の人口増加抑制は、本当に地球の環境問題改善に役に立つはずで、各国の真剣な協力が得られるのではないかと思う。

2.世界の富裕層は、むしろ人口の増加を望んでいるはずだから

世界の政治に大きな影響力を及ぼす支配層が存在するとして、彼らが人口の極端な減少を望むとは思えない。

仮に人口が今の半分になってしまったとしたら、それだけ商品や不動産への需要が減るはずだから、企業倒産が続出し、株価は暴落、不動産も暴落することになるはずだ。

こうした投資による大損を、世界の支配層が存在するとして、わざわざ望むとは思えない。むしろできるだけ地球上の人口を増加させ、消費者を増やし、企業の増収増益と株価の上昇、不動産価格の上昇を望むはずである。

以上の単純な2つの理由から、人口削減系の陰謀はありえないと思われる。

世界の人口に関して、仮に陰謀があるとすれば、むしろ「人口増加抑制は話題に挙げない」方向に陰謀がある可能性の方が高い。人口増加が人類にとって明らかに悪手であっても、それをニュースや議題に取り上げないように影響力を行使するのである。そちらの方が人口削減系の陰謀よりもありうる。