悪が優勢になる世の中を予兆したような沖縄の怪談

前に書いた記事、「コロナ禍を予言していた沖縄の精神病患者の話」に引き続いて、小原猛氏が沖縄で収集した怪談の中に、悪が優勢になる世界を予言するような話があったので紹介したい。

我々が生きるこの世界は、霊性が比較的高まる時期もあれば、悪が優勢になってしまう時期もある。

前者は、サティア・サイババがテレビで紹介されていた1990年代前半などが当てはまると思う。書店ではニューエイジ系の書籍が目立ち、そういった本が大変売れていた。

逆に今は、非常に悪が優勢であるだろう。常識が通らず、嘘がまかり通る。悪意をもって作られた計画が遂行され、多くの人間が苦しみ、死亡する。

2月の人口動態統計速報が出た!死亡者数は+16.4%の増加

3月の死亡者数も前年比10%超になりそう(2022年3月の都道府県別死亡者数)

コロナワクチンの4回目接種を開始した台湾では、一日の感染者数が過去最大になったという情報もあった。

紹介したい怪談(?)は、「神人とあやはべる」という話で、「マブイグミの呪文」という本に収録されている。本が出版された時期から推定して、コロナ禍前の話だと思われる。

神人は、「かみんちゅ」と読み、神に仕え、神のために行動する人のことだそうだ。ユタは、顧客のために行動するが、神人は、神の要請に従って行動する点がユタとの違いだ。海勢頭さんという神人が登場する話である。恵美子さんは海勢頭さんの奥さんである。

ある日、海勢頭さんの家の門から突然鐘の音が聞こえてきた。

チーン、チーン。

チーン、チーン。

はて、何の音だろうと、玄関に向かった。引き戸を開けると、白髪の老人がそこに立っていた。しかし格好がおかしい。

首に金色の鎖をまきつけ、その両側には小さな髑髏の連なった瓔珞のようなものをぶら下げている。長い胸まで伸びた顎髭は先端が結ばれている。左目は海賊のような黒いアイパッチをしている。右目には汚らしい目やにがごっそりとついているのが見えた。

「ええと、何の用でしょうか?」海勢頭さんは初対面の老人に言った。

「ワジワイ(災い)が起こるう」老人が言った。

「はい?」海勢頭さんは聞き返した。

「ティンバチ、カンジュン(天罰が下る)」

「ティンバチ?何のね」

「ティンバチよ、沢山、死ぬう」

「どういうことね。あんた、誰ね」

「ティンバチ、ティンバチ」

そういって老人は身体を揺らした。瓔珞がチーン、チーンと金属音を立てた。その時妙な羽音のような音が老人の背後から聞こえてきた。

ブンブンとまるで蜂の大群が群れているような音である。海勢頭さんはなんだか背筋がぞっとしてくるのを感じた。

「恵美子、恵美子!」

海勢頭さんは二階にいる奥さんを呼んだ。しばらくして恵美子さんが「どうしましたか?」と言いながら階段を降りてきた。

「このオジイよ、変であるわけさ」と海勢頭さんが言った。

「オジイって、誰ね?」

ふと見ると、玄関には誰もいなかった。ただ引き戸が開いて、外のひんぷん(門と玄関の間に立てる魔よけの壁)がそこにあった。

蜂の羽音のようなものが、次第に遠くなっていくのがわかった。

「あなた、何を見たっていうの?」恵美子さんが聞いた。

「そこに片目の老人がいたんだけど、ティンバチ、ティンバチって言ってた」

「ティンバチ?天罰ってどういう意味?おかしな人ね」

「たぶんだけど、この世の人じゃない気がする」

「あなた、それはきっと死神よ。他になんて言ってたの?」

「みんな死ぬって言ってた」

「ほらやっぱり。死神なんじゃないの。どうしてうちに来たのかしら」

「知らん。死神に知り合いはいない」

「それは私もだけど」

(略)

道路を出ると、まるで真っ黒いタールのようなものが、道路に撒き散らされているのが見えた。呆然と立ち尽くしていると、三軒隣に住んでいる、ユタの道子オバアが言った。

「今、恐ろしいものが来たよお」

「オバアよ、あれは何だったのかねえ」

「あれよ、カミオチよ」

「カミオチ?」

「あれよ、神様の元から落ちた悪霊が来て、生きている人が負けることさ。あれは並の悪霊じゃない。世界が終わるよ。大変なことが起こる。私にはわかる」

その後、海勢頭さんは自分の背後にいる神様に従って、沖縄各地の拝所をまわることにし、北部にある山を訪れた。そこで少女の霊に会うが、その霊はすぐに姿を消してしまう。

そこで後ろの神様に聞いたところ、あれは最近、下の集落で死んだ少女であると言われた。

「山を降りて、この者の友人に、この者が成仏していることを伝えよ」

後ろの神様はそんなことを言う。

「私は沖縄の平和の祈りを捧げるためにここへ来ました。その仕事はもういいのですか?」

ウティンヌカミは答えなかった。

「では先日現れた、あの瓔珞をぶら下げた死神は、何のために現れたのですか?」

するとこんな声が聞こえた。

「あれは死神ではない。世界の終わりを告げるものだ」

終わり?この世界が終わると?

「そう、終わりを告げる。かもしれない」

そんな曖昧な返事が返ってきた。神様はいつも明確なことは言わない。ごまかして、じらして、嘘までつく。そうやって人間をコントロールしている。

その後、海勢頭さんらが山を降りると、恵美子さんの身体が急に重くなって動けなくなった。

あまりに身体が重いので、恵美子さんはその場に座り込んでしまった。海勢頭さんが恵美子さんの肩に手を置いて霊視すると、おかしなものがそこに浮かんでいた。

三角形のピラミッドの枠の中に、巨大な一つ目がこちらを睨んでいる。ハダカユーではない、何か別の恐ろしいものだった。

「あなた、この一つ目はなんですか」

それは恵美子さんにも見えたようで、そんなことを聞いてきた。

「私も初めて見るね。こいつが世界を滅ぼす相手なのか」

海勢頭さんが意識を向けると、相手はこんなことを言ってきた。

「取り引きしよう」

以下略。

どうだろうか?非常に不思議で、不吉な話ではないだろうか?ピラミッド形の中に一つ目というと、フリーメイソンのシンボルとされるプロビデンスの目を想起してしまう。

2022年3月上旬には、那須の殺傷石が割れるということもあった。

九尾の狐伝説の「殺生石」が真っ二つに割れる

今月、中国で空が真っ赤に染まるということもあった。

政治の動き、各種予兆の両方から判断して、世界の正常化はまだ遠い先のことだと思われる。